Killing Time at Lightspeed

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Steam:Killing Time at Lightspeed: Enhanced Edition

星間飛行のチケットが特権階級から抜け出し一般市民の手にも渡り始めた近未来。地球時間で26年、体感時間で1時間半に及ぶ「火星発グリーゼ677c行」のフライトを背景にしたテキストアドベンチャーです。

近未来でも時間の使い方は我々とさほど変わらないようで、船内では地球のニュースを閲覧し、SNSで友人と交流して時を過ごします。超長距離シンギュラリティネットワークなる技術のおかげで、亜光速で進むシャトル内でも情報の取得伝達が可能ですが、タイムラグもスケールが大きいものとなっており、一通り目を通してF5を押すと地球では1年以上の月日が流れている。

目まぐるしいスピードで進む地球の技術革新と、友人たちの人生模様がぎゅっと凝縮されて、生まれ故郷の出来事なのに郷愁を誘う暇を与えないほどのテンポで目に飛び込んでくる。受け取る情報の量と間隔のズレを楽しみながら、グリーゼ677cに到着するまで暇を潰しました。

ストアのレビューでちらほら見かけるように、1,2時間もあれば読み終える文章量と千円弱というお値段は、人によっては購入の妨げになるかもしれません。技術革新に伴い倫理道徳についての議論が巻き起こるといった何処かで見た要素も多く、ストーリー自身の引きも弱い。この作品は、時差を織り込んだニュースフィードという語りに浸ることが出来るかどうか、この一点に尽きると思います。私はどっぷりでした。

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