ねぶそく裏表紙

遊んだゲームの感想を残してます

Celeste

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Steam:Celeste

ギミック満載のステージを前にすると一瞬途方にくれるものの、少し触れると辿るべき軌跡が浮かぶ絶妙な仕上がり。そして目の前で要求されているアクションを連想し、これ届くのか?間に合うのか?と不安を抱きながら歩を進める。

延々とリトライを積み重ねる内に、画面の前の私は気が付くと前のめりの姿勢になっています。熱を帯び半ばヤケになっていく私ですが、Celesteの物語は非常に内省的です。

鬱病とパニック障害を抱えた主人公マデリンは、神秘が宿るセレステ山の登頂を通じて自分自身と向き合い、己を癒す何かをさがします。地上から遠ざかるにつれて、自問自答は幻覚や超自然的な現象へ姿を変えていき、セレステ山も山頂に近づけまいと険しさを増していく。

ある程度進めたところで、全力の挑戦の合間にマデリンの物語が挟まれていくのは食べ合わせが悪くないですかと心配したものの、むしろ、高難易度プラットフォーマーで味わう悲喜こもごもの体験が、私とマデリンの物語との距離を縮めてくれた。

登山といいつつも私が操作するのは廃ホテルや遺跡といったロケーションで、どちらかというと横スクロールアクション成分が多めだねと引っかかった。が、そんな私のわだかまりをぶち抜くかのように、終盤はほぼ垂直に切り立った崖壁を蹴りながら、上へ、上へと突き進んでいく。

厳しくも裏切らないレベルデザインや背中を後押しする音楽などなど、魅力を挙げると枚挙にいとまがない本作ですが、終えた後今年一番といっていいほどに楽しんだ理由はなんだろなと振り返っていると、私は上へ登るのが好きということに気づきました。

なんじゃそりゃって感じですが、今まで知らなかった自分の一面を知ることが出来た、こんなゲームにはなかなか出会うことがありません。このゲームは今後も大切に触れていきたいと思います。

暖かくなってきたのでぼちぼち更新再開します。2018年もヨロシクお願いします。

The Norwood Suite

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The Norwood Suite

かつては巨匠ピアニストの邸宅であり、音楽の跡を遺しつつも今はホテルとなった「Norwood Suite」を舞台にしたアドベンチャーゲーム。

デベロッパーCosmo Dの前作『Off-Peak』と比べると、精神的続編とされた今作はゲーム性を強く帯びたと感じます。宿泊客たちのお使いという要素を組み込むことで、導線が随分はっきりと目に映るようです。前作はずっと地に足がつかない感覚でした。そこが魅力でもあったわけですが。

本作に触れる大半の時間は、ある人物に扮する「仮装」のための衣装や装飾品集めに奔走することになります。

色々な事情の末にこのホテルに辿りついた宿泊客たちは、自身のビジネスや創作活動において何らかのつまづきに会っています。ゲーム冒頭に言い渡される「ここでは誰しもが何かを探し求めている」という警句に違わず、宿泊客たちは状況を改善し得る「何か」を欲しています。ホテル内に点在するアイテムを拾い、彼らに見繕ってあげていくと自然と仮装衣装も揃っていく。

部屋から部屋へ、時には壁の裏に潜む隠し通路を経由して、広いホテルをぐるぐると歩き回るうちに『私』は徐々に別の人物へと成り変わっていきます(厳密に言うとその都度着替えていくわけではありませんが)。

どこまでも付きまとう音楽に耽り、同じ場所を何度も巡る行為がある種の催眠術のようです。身形の変化もあいまって、次第にこの作品に、この「Norwood Suite」というホテルに溶け込んでいくような錯覚を覚えたのですが、これは開発者が意図した作用なのでしょうか。

現時点2017年ベスト。日本語はありませんが是非。

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